救急救命士。資格を取って何ができるかを考えよう。

救急救命士。資格を取って何ができるかを考えよう。

大山光さん (29歳) 

千葉県の公立高校を卒業後、私立文系大学に進学し、救急救命士の資格取得が可能な学部に在籍。大学生時代に救急救命士の資格を取得後、現在は消防職員として勤務。


海外ドラマで知った”救急救命士”という仕事

私が高校卒業後の進路を考え始めたのは、所属していた柔道部を辞めた高校1年生の冬頃からでした。部活を辞めたことで自分に何も残らなくなったと感じ、せめて勉強だけはしようと考えました。母から大学進学を薦められたこともあり、推薦入学で入学するために、試験勉強に力を入れていました。

将来は何となく病院で働きたいという思いはありましたが、高校3年生になっても大学で何を学びたいか、具体的に何をしたいのかはわからないままでした。

そんな中、「ER」という海外ドラマで”救急救命士”という仕事を知り、救急救命士に憧れ、目指すようになりました。このため、大学を選ぶ際には救急救命士の資格が取得できる大学であること、がポイントでした。

救急救命士の資格を活かすためには、公務員になるしかない!?

救急救命士の資格を取るために大学に進学しましたが、実は高校生の時は実際は救急救命士の資格を持っていても何ができるのか、どう活かせるのかというのは知りませんでした。

大学入学後、救急救命士の資格を活かすためには「消防士」という選択肢しかないことがわかりました。消防士に対して、「体育会系で辛そう」「消防士は公務員で、職場は笑いなどはなく、つまらなさそうな職場」というイメージを抱いていたため、消防士にはなりたくないと思っていました。

大学3年生の時、10日間実際の消防署で救急車の同乗実習をする機会があり、そこで私の消防士に対するイメージは大きく変わりました。実際の消防署では、みんなが楽しそうに働いており、それぞれの志を持って働いていました。そんな姿に憧れて、私は消防士を目指すようになったのです。

すぐに救急車には乗れない

大学在学中に救急救命士の資格を取得し、公務員試験を受けて消防職員になりました。すぐに救急救命士として仕事ができると考えていたのですが、私の所属している地方自治体では、最初の2年間は消防職員として働くことになっていました。

2年のうち、半年間は消防学校に通い、消防職員としての基礎知識として、行進や整列など規律、危険物や無線の取り扱い、機材の構造や電気抵抗について学びます。また、実技訓練では、はしごの登り方や放水、ホースの取り扱いなどがありました。

消防学校は平日の5日間、10人一部屋で生活します。最初は団体生活が不安でしたが、他の自治体からの参加者と知り合い、今となってはいい仲間と巡り会えたと感じています。卒業式でみんなで制服の帽子を投げた光景は今でも忘れられません。

2年目で救急隊の仕事に携わるようになり、10日間、市内の病院にある救急救命室(24時間・365日全ての救急患者を受け入れ、専門医によって全ての科の診断を行い、必要に応じて各専門科を紹介する)で救急救命士として働くための研修を受けました。2年目になって、やっと自分のやりたい仕事が始まったという感じがしました。

自分の苦手なことだからこそ、人に伝えたい

3年目で救急隊に任命され、救急車に乗って現場に出るようになりました。火災現場や血を見ることもあり、ショッキングな現場に行かなければいけないときは辛い思いをすることもあります。しかし、救急車で運んだ傷病者が快復し、近況を手紙で知らせてもらえたり、駆けつけるだけで安心してもらえる存在だと言ってもらえるので、この仕事に就いてよかったと感じます。

今後は、「外傷措置」という、外傷から傷病者の状況を判断するための資格のインストラクターを目指したいと考えています。インストラクターの資格を持っていると、消防職員として、消防職員や看護師向けのセミナーの講師をすることができます。私自身、救急隊として活動する中で外傷措置に対して苦手意識があったんです。だからこそ自分が現場で経験したことを人に伝えることで、経験を共有し、セミナーの受講者にに活かしてもらいたいと考えています。

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