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「参加したいゴミ拾い」を世界中に。自分の手で街を盛り上げよう!

横尾 俊成さん (34歳) NPO法人グリーンバード。港区議会。

神奈川県立横須賀高校卒業後、早稲田大学人間科学部、早稲田大学大学院人間科学研究科卒。現在はNPO法人グリーンバードで代表を務めるとともに、港区議会議員として活動している。


自分を抑え、優等生として過ごした中高生活。

転校することが多かった私は、人の顔色をうかがうタイプの中高生でしたね。また、みんながカラオケやビリヤードなどで遊んでいる中、図書館で勉強しているというような典型的な優等生でした。だけど、そんな自分が嫌で仕方なかったんです。やりたいことが見つからず仕方なく勉強していて、自分を抑えて生きている気がしていました。

このまま親や先生の期待通りに優等生として東京大学を目指し、ゆくゆくは弁護士か官僚になる。そんな人生は耐えられないと思い、精一杯の抵抗で東大は受けずに反骨のイメージがある早稲田大学へ進学することにしました。大学では、これまでの自分を変えたいと、髪を金髪にして遊びまくりましたね(笑)

自分から動けば何かが変わる。 そう気づいた学生時代。

大学1年生の時に遊び尽くした結果、多くの友達をつくることは出来ましたが遊んでばかりいても面白くないことに気づきました。そこで海外に行けば面白い日々が過ごせるのではないかと思い、アメリカへの留学を決めたんです。しかし海外に行っても遊んでばかりで、日本とやっていることは変わりませんでした。環境のせいにしていましたが結局は自分の問題だったんですね。

そんな留学中、アメリカ同時多発テロ事件9・11に遭遇したことをきっかけにその後の人生が大きく変わることになりました。9・11を目の前にして何もすることの出来ない自分の無力さを知り、社会を変えられる人間になりたいと思ったのです。

そこで友人とともに「世界学生会議」という、イラクなど紛争地域の学生と共に世界の未来を考えるイベントを開いたところ、千人以上を動員し、メディアにも取り上げられるほどの大成功を収めたのです。自分から少しでも動けば何かが変わるということを実感した経験でした。自分のやれることをやっていこうと思いましたね。

「自分たちの街を自分たちで盛り上げる」2つの仕事。

私は今、ゴミ拾いを通して若者の地域参加を促すことを目的に活動しているNPO法人グリーンバードという団体で代表をしています。

拾っても、拾ってもなくならない街のゴミを減らすにはどうすればよいか考えた際、そもそも「ゴミを捨てる人を減らそう」と、街の中にゴミを捨てづらい雰囲気をつくる活動を始めたのです。

そうした雰囲気づくりのためグリーンバードでは2つの方法を実践しています。ひとつは、街の中でゴミを拾っている人が目立つようにすること、もうひとつは多くの人に一度でもゴミ拾いに参加してもらうことです。

それを形にしたのが、一見ゴミ拾いには無縁そうな若者たちがユニフォームを着て活動することで、友達づくりや出会いの場にもなるような「朝合コン」と称する新しいゴミ拾いです。

一方、私は港区の区議会議員としても活動しています。ゴミ拾いを始めとして、住民の自主性を高めることのできる行政を実現したいと思ったことが議員になるきっかけでした。

NPO法人の代表と、区議会議員。2つの仕事のコンセプトは同じで、自分たちの街は自分たちで何とかして、自分たちの手で盛り上げていこうということですね。

参加者からの声が活動のエネルギーに。

グリーンバードの活動に参加してくれた人達からいただける、「また参加します」「楽しかった」という声は活動のエネルギーになっています。

その中でも、障害を持ったお子さんのお母さんから、「支援される立場だったうちの子が人の役に立てることを実感できた、ありがとうございました」と言っていただけた時のことは印象に残っていますね。

また、グリーンバードは海外にも進出しているのですが、パリでの活動の際、「日本のサムライのごみ拾い文化は素晴らしい!」と言ってもらえた時には、海外で日本人らしい文化を伝えられていると実感出来ました。多くの人々を巻き込んでいけている感覚がやりがいですね。

向いていないけれど、やりたいからやっています。

NPOと議員の仕事を掛け持っているのでなかなか休みがとれず、体力的に辛いこともあります。また、私はもともと人前で話すことが苦手だったのですが、職業柄人前で話すことが多く、未だに前日から緊張してしまいますね。議員の仕事においても、対立する意見をまとめるために白熱する渦中に入っていかなければならないのですが、図太い性格ではないので大変です。

今の仕事は、自分に向いているかと言われれば決して向いていないですが、やりたいかやりたくないかと言われれば、やりたい。だから大変なことも多いですが頑張っています。

次世代への引き継ぎ。 団体も議会も。

今後実現したいこととしては、まずグリーンバードを後進に引き継ぐことですね。ずっと同じメンバーで固まっていては活動もつまらなくなっていってしまうので、活動を拡げるためには、新しい人を増やしていかなければと思います。そしてまた別のグリーンバードをつくって欲しいですね。

五年以内の目標で言えば、オリンピックを機にさらに海外に活動を拡げていきたいと思っていて、2020年までに世界で100チームを達成したいです。

議会についても同じで、議会にはベテランから若手まで多様な人がいるべきです。そのため、ゆくゆくは次世代に議会を引き継いでいくと同時に、色んな人が当選出来るよう流動性を高め、若い人が政治に参加しやすい環境づくりをしていきたいと思っています。

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