芸能界から政界へ。 私がやらなければ!という使命感。

芸能界から政界へ。 私がやらなければ!という使命感。

塩村 あやかさん (37歳) 東京都議会

私立岡山就実高校卒業後、共立女子短期大学卒業。タレント、放送作家を経て現在東京都議会議員を務める。


東京への憧れと、「継続は力なり」の実践

高校時代の私は目立つ方ではありませんでしたが、生徒会の副会長を務めるなど何事も堅実に行う補佐役タイプでした。また、岡山から大阪まで行って、薬害エイズの被害者応援の会に参加するといった、妙に正義感の強い面もありましたね。

その半面、当時流行っていた「101回目のプロポーズ」「東京ラブストーリー」などのトレンディドラマに影響を受けて芸能界に憧れを抱いていました。東京に行ってこんな華やかな生活を送りたいと思い、東京の短大に通うことを決めたんです。

けれど上京してからの生活はとても大変で、日々バイトとタレント活動をこなす毎日でした。奨学金をもらいながら短大に通っていたのですが、生活費をまかなうため、放課後は遊びに行かずひたすらコンビニと羽田空港でバイトをしていました。今思えばよくこなせていたなと思います。

この時いただいていた奨学金を返し終わったのは30歳を過ぎてからです。償還完了の通知をもらった時にはこれまでの努力が報われた気がしてとても嬉しかったですね。「継続は力なり」を実践することができ、自分に自信がつきました。

放送作家から政治家に。ロスジェネの生き方。

私が短大を卒業したのは、ロストジェネレーションと呼ばれる就職難時代の真っただ中でした。客室乗務員になりたいという思いがあったのですが、その年は募集がなく、タレントとして非正規で働くことになりました。今思えばこうして非正規雇用者としてキャリアをスタートさせたことが現在の活動の原点になっています。

テレビ番組「恋のから騒ぎ」に出演したことをきっかけに、放送作家というテレビ番組の企画をする仕事に興味を持ちました。その後「恋のから騒ぎ」に出演しながら放送作家見習い講座に通い、出演終了後は見習いとして放送作家の仕事をしていました。しかし、経験を積み、放送作家としての仕事が軌道に乗り始めた時、ある転機が訪れました。

それはラジオ番組の時事コーナーを担当していた時のことです。番組内で政治家や専門家の話を深くうちに、世の中の問題は全て政治にいきつくのだと気付いたのです。そして、かねてから関心を持っていた動物愛護や、放送作家の仕事をする中で対面した、非正規職に就く女性が結婚や出産をしづらいという問題に対し、私が何とかしなければいけないと思いました。これが政治家の道に進むことになったきっかけです。

都議会議員としての仕事。 動物愛護に女性施策。

私は現在、東京都議会議員をしています。議会において、都民の声を都政に反映させるべく、都の職員に対して質問をすることが主な仕事です。私が特に力を入れている政策は、政治家を志すきっかけでもあった動物愛護と女性施策です。

動物愛護については、現在年間約15万頭の殺処分が行われているという問題が起きています。それにも関わらず年間何十万頭という動物がペットショップで売られ続けており、需要と供給のバランスがおかしくなっているのです。こうした問題を解決するには、需要に見合った数のペットが売られるようにするための法律をつくっていかなければいけません。

女性施策については、例えば女性が働きやすい環境づくりに取り組んでいます。働きたいのに結婚や出産を理由に仕事を辞めなければいけない女性の数を減らすことが大切です。これまでは男性だけが朝から晩まで働いてきましたが、夫婦がバランスよく働くことで、家族全員そろって晩御飯を食べることが出来るのが理想だと思っています。

やればやるほど不毛な仕事。それでも闘い続ける理由。

議員の仕事は、やればやるほど不毛だと感じることが多く、やりがいや楽しさといったものを見出すのは中々難しいですね。けれど、自分の主義主張を曲げずに声を上げ続けることは自信につながります。それがいつか実を結ぶことを信じて続けるしかないんです。

しんどいながらもこの仕事を続けることが出来るのは、やはり動物愛護や女性施策に対する強い問題意識があるからです。念願叶ってなることのできた放送作家の仕事を辞めてでもやると決めたからには、そう簡単に諦めるわけにはいきません。家で飼っている二匹の猫も動物愛護団体から家族に迎えたのですが、その子たちにいつも「負けてられないよね」と話しかけながら日々頑張っています。

議員としての苦悩。四面楚歌での闘い。

議員の仕事で大変なこととして、まず議会質問があります。質問と答弁調整作業は大変で、正面から聞いても都の職員達は求めている答えを返してくれないんです。自分達にとって不利な話には、一見それらしい回答を返してくるのですが、それに惑わされず追求を続けられるよう質問を推敲して議会に臨んでいます。

また、私は現在議会において無所属の一人会派なのですが、そうした立場をめぐって様々な苦労がありますね。それというのも、一人会派は都議会において非常に不平等な扱われ方をしているんです。

例えば議会終了後に各家庭に配布される「都議会だより」には一般質問の際の写真を掲載する欄があるのですが、一人会派だけが写真を掲載されません。本会議13分の質問時間は議員の権利です。また、写真とその内容を都民の税金で作成している都議会だよりに平等の掲載すべきですが、基本的な権利すら守られていません。

こうした差別をなくしていくよう、各会派の幹事長や都の記者クラブに要望書を直接手渡しにいくなどしています。多様性を認めようと謳ってオリンピックを開催するにも関わらず、こうした現状があることはとても恥ずかしいことだと思っています。

五輪にふさわしい議会づくり。みんな政治にもっと関心を!

今後は、都民の代表である議員として、東京オリンピックを迎えるにふさわしい東京都議会にしていきたいですね。政治の世界には女性が少ないので、もっと普通の感覚を持った女性が入ってきて欲しいと思います。今の女性政治家は、良くも悪くも男社会の中で生き抜く術を持った女性が多いですから。結婚して、産休もとって、それでも男性と同じキャリアを築ける議会にしていきたいです。

そのためにも、都民のみなさんにもっと政治に関心を持って欲しいと思います。税金をたくさん払っているのにも関わらず選挙に行かないなんて、自由にお金を使っていいよと言っているも同じで、人が良すぎます。政策だけを見ても良いことしか書いていないですから、自分で考えて本質を見抜く力を養ってもらいたいですね。

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