好きな仕事でお客様に感動を。教材編集 の仕事。
A.N.さん (31歳)
秋田県立能代高等学校、津田塾大学学芸学部英文学科卒業。在学中に一年間の海外留学を経て、メディア企業に入社。現在は転職し、教育業界の企業で英語教材の編集などを行っている。
諦めた夢が人との出会いを繋ぐ懸け橋に。
私は幼い頃からバスケットボール選手になりたいと思っていました。父親が高校のバスケットボール部の監督だったことと、近所に日本一の強豪校があったことがきっかけです。周囲の環境からも刺激を受けて、ひたすら練習に打ち込んでいましたね。
しかし、中学生になってから、自分には才能がないこと、才能を努力でカバーしようという根気がないことに気が付きました。そして結局、バスケットボール選手になる夢を諦めてしまいました。
ずっと打ち込んで目指していたもの、「夢」が無くなった喪失感はものすごかったですね。バスケットボール部が無い高校を、あえて選んで進学したくらいです。高校でもしばらくは何も手につかず、毎日ゲームばかりして過ごしていましたね。
ところが、そんな時、転機が訪れました。それは、「バスケットボール部がない高校に同好会を作ろう」という友人です。当時の私にとっては、「器(部活)」がないなら自分で作ればいい、という発想はとても新鮮でした。予算も練習場所もない中でゼロから同好会を創り上げたことは、今でもよい思い出です。結局、バスケットボールを職業にすることは出来ませんでしたが、大切な友人たちと出会うためのものだったのだと感じています。また、好きなことはとことん諦めずにやってみる!ということをその友人たちから教えてもらいましたね。そしてこの経験が、今の「好きなことを大切にする」という生き方の軸に繋がっています。
「自分が一番好きなことは何か」を探した学生生活。
私の家では海外旅行に行くことが多かったせいか、幼い頃から漠然と英語に興味を抱いていました。また、国語と英語の訳し方の違いに面白さを感じることも多く、気付いた時には英語が好きになっていました。授業中、眠いときには、よく洋楽の歌詞を自分なりに和訳して遊んでいましたね。テンションが上がって、目が覚めますよ!
大学は英文科に進学し、在学中はホテリアーや映画館スタッフ、ライブスタッフなど、自分がやってみたいと思うアルバイトを沢山経験しました。また、英語をもっと勉強するためにイギリスへ留学もしました。
そうした経験から、自分が一生続けたい仕事は何か?という軸が分かってきました。一つ目は英語を使った仕事、二つ目はイベントやコンサートを扱う仕事、三つ目は日本から海外に何かを発信する仕事です。そして、その3つの軸をもとに就職先を選んだ時、自然と浮かんできたのが放送業界(テレビ局)でした。
大学卒業後、テレビ局で働き始めた私は、主にイベントの仕事を担当していました。番組と連動したイベントの会場押さえや調整、企画立案から発券準備まで幅広い業務に携わっていましたね。しかし、社会人3年目が終わろうとしていたとき、もっと英語を使った仕事がしたい、と思うようになりました。イベントの仕事も大好きだったので悩みましたが、やはり20代のうちに英語に関わる仕事がしたいと思い、転職することに決めました。
英語とイベント、部署の垣根を超えた仕事のやりがい。
現在は、『進研ゼミ』という教材を制作する部署で、高校生用の英語の教材編集に携わっています。執筆者や編集プロダクション、デザイナーなど多くの人たちと連携して、高校1~3年生、それぞれの学習目的に合わせた英語教材を作っています。
その他にも、高校生向けの勉強会やイベントにも取り組んでいて、英語に関わりながらイベントの仕事にも触れられるので、とても充実した日々を送っていますね。
熱意を持って取り組んだことが「お客様の感動を生む」。
英語は「ことば」。それを教える仕事は、今を生きている人と向かい合うことだと感じています。これはイベントやライブの仕事でも一緒でした。
様々な高校生に向けた教材を作るのは難しさもありますが、何ヶ月もかけて作った教材が高校生に届き、「進研ゼミのおかげで授業がわかった」「教材の内容が試験に出て解けた」という声を聞いたときは、本当に嬉しいですね。
また、勉強を直接教えるイベントで、英語や進路に関するアドバイスをして「道が拓けた」と言って頂いたときもこの仕事をしていて良かった!と思います。
編集の仕事もイベントの仕事も、真剣に向き合ったことが形になり、お客様に感動を届けられたときにとてもやりがいを感じますね。
好きなことを仕事にする苦しさ。
私は「好きなことを仕事にする」というモットーで働いていますが、もちろん辛いこともあります。「伝えたいポイントが教材に盛り込めていないのではないか」と、自分の勉強不足を痛感して自信を無くしたり、面白いと思った仕事が上手く実現出来なかったこともあります。好きなことを仕事にしたのは自分なのに、どうしてこんなに辛いんだろう・・・と弱気にもなります。
しかし、だからこそ「自分がどれくらい納得してその仕事に取り組めるか」が大切だと感じています。これは編集もイベントの仕事も一緒で、色々な物事を調整していく作業が多いからかもしれません。出来ないことがある中でも、投げやりにせず、一番目指すべきところを見つけて達成するようにしていますね。
変わらない軸を持ってチャレンジしていきたい。
これからも「英語を使った仕事」「人を感動させる仕事」を軸に仕事をしていきたいと考えています。今の会社で、お子様向けに「しまじろうのコンサート」というイベントがあるのですが、将来的にはその海外事業にも関われたらと思っています。
そのために、今は英語以外の言語の勉強にもチャレンジしています!