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ゲームができるまで。3Dモデラーのお仕事(1)

まりたんさん (26歳)

美術系の短大卒業後、3Dキャラクターモデラーとして、ゲームの開発に携わられています。


この記事では「ロルモRadio」のインタビューをもとに編集・要約した内容を掲載しています。
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ゲームができるまでの流れって?

──今回のゲストはゲームの3Dモデラーをやっているまりたんです。よろしくお願いします。まずゲームができるまでって、どんな感じの流れになってるのかな、というのを教えてもらえますか?

最初はやっぱり企画ですよね。どういうゲームが売れるだろうかとか。やっぱり商売なので面白くないといけないじゃないですか。面白いゲームは何なのかっていうのを企画するプランナーという人たちがいるんですね。この人たちがまず文章とかでこういうのが面白いんじゃないかって企画書を作ってプレゼンをします。

──それはシナリオライターとは別?

別ですかね。どっちもやる人もいると思いますが、会社によるんじゃないでしょうか。あとは、企画段階で軽く動くゲームを作るパターンもあるかもしれませんが、基本的には、まず企画書を作ってプレゼンだと思われます。

それでプレゼンの結果、偉い人から「それ作っていいよ」って言われて。企画が通ると次は仕様書っていうのが出てくるんですけど。これはゲームの設計図みたいな感じです。

こういうふうに作っていくんだとか、いつまでに作るとか、Switchで出すか、Playstation4で出すかとか、スマートフォンでは出すかとか。詳細にいろいろ決まってきて、そこでやっとデザイン作業が始まる感じですかね。

ゲーム作りは家づくり?

プランナーの考えてるゲームをどうやったら実現出来るか、みたいなところでプログラマが実際にゲームを作り、プランナーさんが例えばこういう主人公が欲しいとなったら、そこでデザイナーさんに発注して。徐々に素材を作っていくって感じになりますね。

キャラクターモデルの話でいうと最初に方向性決めないといけないんですよ。例えば、今回はすごいリアル寄りのタッチでいく、とか。
やっぱり流行りすたりがあるので、そういうのも見極めつつ、こういう絵柄が受けるだろうとかを、デザイナーの数人が決める感じですね。

そうやって、先に見た目を確定させて、その後にやっと、たくさん素材を作るためにデザイナーがわっと参加して、量産体制に入ります。
ルール決めをしないで一気にみんなで勝手に作り始めると、あるキャラクターだけすごい作り込まれてたり、あるキャラクターはアニメっぽい見た目だったり、とか生まれてしまう。すると、同じゲームとして壊れるので。

──そこはそうですね。同じ人が全部作ってるわけじゃないから。

そうなんですよ。だから先にちゃんとルール決めするんです。例えばスマートフォンゲームを作ろうとすると、スマートフォンの性能の限界ってやっぱりありますよね。だからまず、そもそもスマートフォンに出せるデータの容量とか、あとは3Dモデルで言うと、ポリゴン数の制限とか、テクスチャーサイズの制限とか、データそのもののルールがまずあります。
これがあると、1体だけ妙に作り込まれる、みたいなことがなくなって、およそ揃うようになります。
色合いとか、こういうテイストで行くぞ、というようなルールも決めます。みんなの間で差が出ないように。

それでも開発中に結構変わることもあるんですよ。やっぱり。大きく変わることはないんですけど。イメージの中ではうまくいってても、実際作るとうまくいかないとか、出てくるので。

──お話を聞いていると、家を建てるようなイメージなんでしょうか。

そうですね。家の骨組みすらできてないのに瓦のデザインに凝ってどうするんだ、みたいな話ですね。なので、土台からしっかり考えて。後からそこが覆されると大変なんですけど。

今のゲーム開発ってすごく大きな規模のところだと、200~300人関わってたりするんですよ。

──Grand Theft Auto だと開発費100億と聞いたことがあります。

もうほんとに何千万じゃ全然足りなくなっちゃったんですね。なので最初は20人とかの小さい規模から始めて、土台が固まってこのルールに沿って作ったら大丈夫ってなったら、たくさん作業する人を入れて、プロジェクトが加速していきます。
で、そこの段階になるとやっと私が出てきます。

結局3Dモデルってゲームの中の素材を作っているというか、 ゲームの遊びの部分にはあまり関係はないと言えばないですね。

──そうなんですか。

遊びごたえの部分は、やっぱりプランナーやプログラマーが調整しているところなんですね。こういうゲームバランスだったら、お客さんに楽しんでもらえるんじゃないか、難易度はこれくらいがいいんじゃないか、という設定をしているのは企画の人たちだったりするので。

プランナーが作りたいものがあって、それが発注される感じですね。それに対して、それぞれの分野の専門家が力を合わせて作っています。

──すごい分業で、相当なチームワークが必要ですね。他のところがどう進んでいるか、わからないんじゃないんですか?

あんまりわからないですね。どうやってゲームができるかの話にちょっと戻りますけど、作ってる間も一気に完成まで持っていくんじゃなくて、途中で区切りがあるんですよ。
よくα版とかβ版とか言われますけど、社内で細かい区切りはたくさんあって。
締め切りを設定して、そこまでにはこれを完成させよう、みたいな目標があります。

3Dモデラーのお仕事とは?

──次に3Dモデラーの話を聞いていきたいんですが、全然わからないので、一から説明してもらえますか?

基本的なお仕事の内容としては、PCを使って、3D・CGを制作する専用のソフトウェアがあるんですけど、それで3Dモデルを作っています。皆さんがゲームをするときに立体のキャラクターを動かしたりしますよね、3Dモデルというのは、あれをつくっています。

キャラクター以外に背景とかも一応3Dモデルではありますが、私が担当しているのはキャラクター関連で、背景は仕事では作ったことないです。

──キャラクターを作るときに、「こういう人を作るんですよ」みたいなモデルがあるんですか?

そうですね。大体の場合は、2Dのデザイン画を見ながら作ることになります。

──でも3Dモデルって動かすわけでしょう。その動きはどういうものを作るのかは決まってるんですか?

3Dモデルを動かす仕組みを入れるのは私が担当しているようなキャラクターモデラーの仕事です。ただ実際にアニメーションをつける、例えば「走る」「ジャンプする」「武器を振る」、いろいろあると思いますけど、あれを作る人たちは「アニメーター」とか「モーションデザイナー」って呼ばれてる人です。

それから、その前に「リガー」と呼ばれる仕事があって。3Dモデルに動きをつけるって、やってみるとわかるんですけど結構大変で。

──今だと人間が特別なスーツを着て動いたら、キャプチャされるみたいなのもありますよね。

ありますね。モーションキャプチャですね。

──それとまた違う?

別ですね。手で作るんですよ。その演技を。今でこそモーションキャプチャの技術があるので、もちろんキャプチャーされたものも使っていますけど、手で演技もさせていますね。

ただ、手を動かすのは大変なので、それを上手にできるように「リガー」という人たちが、「リグ」というのをつけるんです。「リガー」が間に入ってモーションデザイナーに渡します。リガーとモーションデザイナーは同じ人が担当しているケースもありますが。

──なるほど。動きの細かい部分を作るのは別の人がいると。すると3Dモデラーの仕事は?

見た目です、私たちが作っているのは。動かないしポーズも取らないですし。

──例えば服着てるキャラクターがいるとして、絶対見えないような所ってあると思うんですけど。そこはどうしてるんですか?

やっぱり、見えないところはそもそもやっぱり作ってないです。Tシャツを着てる人を想像してもらって、Tシャツを着ていると腕は見えてますけど肩回りは見えてないですよね。その中はTシャツのモデルはありますけど、肌のモデルは作ってないです。
ゲームによってはもしかしたらあるかもしれないですけど。見えないから作っても意味ないじゃないですか。見えないところは省略してます。

──3Dにするものが複雑になればなるほど大変ですね。

そういうことですね。ものによるとしか言えないんですねど、簡単のものでも、結構人数がかかっちゃうんですね。キャラクター1体、すごく早く作っても1か月とか。それでも結構短めのスケジュールだと思います。かかる場合だと、2~3か月は平気でかかるんですよ。会社で2~3か月なので、1日8時間。もちろん他にもやることはあるので、ずっと作業しているわけではないですが。それでも結構な時間を費やしています。

昔のゲームって、今と比べるとちょっとおもちゃみたいな作りじゃないですか。でも、あれはゲームの容量の問題があって。ゲームは容量との戦いが絶対にあるので、あれは仕方なくああいう風になっている。ということを私も仕事を始めてから知りました。もっと良いモデル作れるじゃんとか、いろいろ思うんですけど。プラットホームの問題もありますし、あとは制作期間の問題もありますかね。でも、締め切りまでに、できるだけいいものを作るのが、やっぱりプロのお仕事だなって思います。

3Dモデラーに必要な能力とは?

──3Dモデルをつくる作業以外にはどんな仕事があるんですか?

会議に出たりとかもありますよ、もちろん。進捗会議とか。あとは外部の協力会社さんとの打ち合わせとか。そういうのが多いです。
多分立場が上の人になると、他にもたくさんあると思うんですけど。

あとは、既にある3Dモデルをちょっと直す作業もあります。最初から全部まるっと作るんじゃなくて。例えば途中で方針が変わったとか、何かの事情でもう既にできてるモデルを修正しないといけない時に、全体を作り直すんじゃなくて細かいところだけを調整するとか。

──同時並行でいろいろ作っていくものなのか、一個ずつ「これ終わったら次これ」みたいな感じで進んでいくのか、どんな感じですか?

これはプロジェクトによるんじゃないかと思うんですけど。
私が今いるプロジェクトでは、あまり先に作り込まないようにしてますね。だから最初に一気に完成まで持っていくんじゃなくて。途中まで作っておいて、チェックに出して、OKが出たら作り込みを始める。

でも、最初からデザインを渡されて「これを最初から最後まで作って下さい」みたいな依頼でモデルを作ったこともあります。

2, 3個を作るモデルがあって、並行して進めることもあります。

──自分自身でスケジュールを管理する能力が必要そうですね。

そうです、はい。一応管理してくれている人が他にもいるんですけど、もちろん自分でも考えながら作業する。
1人で作ってるわけじゃなくて、今私が作ってる3Dモデルを欲しい人がいるわけですから、次の工程で。それを自分のこだわりだけで遅らせるわけにいかないですし。

──なるほど。なんとなくわかりました。3Dモデラーという仕事が。

一例ですけどね。私の場合はゲームなので、これが映画とか、アニメーションとかになると、全然やり方がちがうと思います。
CG業界ってブラックなイメージをよく持たれるんですけど、ゲーム業界は比較的ホワイトだと言われています。

──アニメとかは大変と聞きます。

やっぱり締切が近いと大変みたいですね。ゲームは2~3年かかるので。

──こっちは、もっと早く出してよ、と毎回思ってますけど (笑)

がんばってるんですよ、みんな (笑)。

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