就職先ってどう選ぶ? 化学メーカー→監査法人のキャリア選択(1)

就職先ってどう選ぶ? 化学メーカー→監査法人のキャリア選択(1)

いたやんさん (30歳)

新卒で大手化学メーカーに入社。その後公認会計士の試験に合格され、現在は監査法人に勤務されています。NPO法人アスデッサンの運営にも正会員として関わっていただいています。


どうして化学メーカーに?

──かんたんに自己紹介していただけますか

2013年に大学を卒業して、大手の化学メーカーに入りました。その会社で工場の経理に配属されたので、せっかくだからと思い、公認会計士の試験の勉強を始めました。勉強しているうちに、学んだことが活かせるようなところに行きたいなと思って、試験合格をきっかけに今の会社 (監査法人)に移りました。

──いたやんさんは、某国立大学を卒業されていて、結構な高学歴ですよね。

大学では、経済学部の経営学科に行ってました。

経営学科に進んだのは、起業をしてお金を稼ぎたいとかそういうことでは全然なくて。「どうやったら組織を効果的・効率的に動かせるんだろう」ということに興味がありました。

例えば、文化祭とかの催し物が高校ではあると思うんですけれども、学生でやると意見が色々出てまとまらなかったりで、なかなか進まない。そういうのって、どうしたらうまくコントロールできるんだろうと。それで、自分の関心に近そうな学部でいうと、経営かなと思って、経営学科に進みました。

──そういった原体験は誰でも起こり得ることですよね。

そう思います。どこに興味があるかで分かれると思いますが、突き詰めたいと思えるようなことを皆さん経験してるんじゃないかなと思います。

──はじめに化学メーカーに就職したのは、どんな理由からでしょうか。

自分はあんまり熱中できるものがなかったんですよね。一方で、あんまりがっつり働きたいって感じでもなかったので、金融とかコンサルみたいな、いわゆる激務のイメージがあるところはやめようと思っていました。

そんなことを考えながら、いろいろ業界を見ていくと、やっぱりメーカーは分かりやすく人の役に立っている。いろんなサービスがあるなかで、やっぱりモノがなければ豊かな暮らしって成り立たないのだろうと考えました。

かつ、あんまり「これが好き」っていうものがなかったので、幅広くいろんな分野に貢献している「素材メーカー」が良さそうと考えました。それで就職活動のときは素材メーカーを幅広く見ていって、「海外展開してるところがいい」とか「働いている人の印象が良い」とか、だんだん絞っていきました。

素材メーカーの中でも、特に「化学メーカー」は裾野が広く、かつ変化していきそうな業界で楽しめそうと思って、入社を決めました。

──いたやんさんは、今の中高生とは一回り以上離れていると思いますが、今の中高生の価値観に通じるところがあるように思います。「これがやりたい」ってものはないけれども、自分の将来はよく考えていて、ワークライフバランスを大切にしたくて、高収入が目的ではない、といったところ。時代を先取りしているような印象です。

文系でも化学メーカーに入れるの?

──いたやんさんが入社した会社は、かなり大手ですが、入社のときには学歴は重視されるのでしょうか。

高学歴な人が多かったと思います。MARCHや早慶、国公立出身の人が多かったです。基本的に入社したら、大学のことは誰も言わなくなりますが。

──確かにそうですよね。私もこれまで働いてきた企業は、特に外資系では学歴の話なんて一切しませんでした。今中高生で化学メーカーとかに興味がある人は、今の時期は学校でどんな勉強をしたらいいとか、どういう大学・学部を選んだほうがいいとか、ありますか?化学メーカーは理系のイメージがありますが、例えば文系でもいけるか等も含めて、今学生が何をすべきかお聞きしたいと思います。

ちょっと趣旨とは離れてしまうかもしれないんですが、中高生の段階ではどこかの会社に入ることを目標にするといよりは、いろんなことに興味を持った方がいいと思います。結局、その会社がいいとか悪いとか、正直入ってみないとわからないので。もちろん、特別な思い入れがあれば突き進めばいいと思います。

──昔のように大手企業に入れば安泰という状況でもなくなっていますよね。私も個人的には会社に入るのはゴールではないし、一つの会社で働き続けるのは今の時代には合わないかもしれませんね。

別にやりたいことが見つかってなくてもいいと思っていて。高校生のときにやりたいことが決まっている人なんて稀だし、後でやりたいことって変わると思っているので。

じゃあ何が必要かといったら、やりたいことというより、自分が何を大事にしてるか、そして、それに見合ったものが世の中にほんとにあるのか、っていうこの二つですかね。自分の中にあるものを把握するのが、最初のステップとして大事なのかなと。例えば、私の場合だと、「高収入にはそれほど興味がない」とか「激務は避けたい」とかでした。

一方で、巷では「このコンサルに行ったらえらい」とか「外資系金融機関に行ったらえらい」みたいな、そういう価値観があって、そういうものに引っ張られる人もいます。

でも、中に入ってみて「自分がやりたいことと全然違った」と感じる人も結構いるみたいです。そういうミスマッチが起きないように、まず「自分が何を大事にしたいのか」、わかる範囲で決めておくことが大事だと思います。

そのうえで、世の中にどういう仕事があるのか、どういった業界があるのか幅広く知っておいて、自分の思いとマッチするのはどこか、見ていったらいいんじゃないかなと思っています。

化学メーカーでの仕事内容

──最初の会社では、どんな仕事をしていたんですか?

入社後3年半は、いわゆる「事業企画」という仕事をしていました。具体的には、会社の目標(予算)をまとめたうえで、業績の予実分析 (予算計画通りに進んでいるか実績と比較すること) をして、経営層に報告するという仕事です。

それから、事業部横断・部門横断的で横ぐしを通す仕事もありました。企業買収まわりの話も、私は若かったのでメインの仕事ではなかったですが、お手伝いという形で関わっていました。

そんな仕事をした後、次は地方の工場に配属されて、経理の仕事をしていました。経理といっても帳簿をつける会計の仕事がメインというよりは、業績や原価を見ながら「どうやってコスト削減するか」「どうやったら効率的な生産活動ができるか」、みたいなことを工場にいる現場の人たちと協力しながら検討する仕事でした。あとは、工場でも引き続き、原価の予算作成と予実分析などもしていました。

その後は、本社に戻り、ビジネスの現場に近いところで「事業企画」をするようになりました。入社当初の「事業企画」は色々な製品の状況をとりまとめて経営判断に役立てるような仕事でしたが、今度は特定の製品を自分たちで成長させていく「事業企画」をするようになりました。

以前と同様、担当製品の業績とりまとめはやりつつ、ビジネスを進めるうえで必要な色々なことをしていました。色々な契約を結んだり、海外子会社の状況を見て本社からの対応を検討したり、値段を決めるお仕事をしたり。お客さんのところにもよく行かせてもらいましたし、中長期的な事業方針を決めたりなんかもしてました。そんないろんなことを最後の1年くらいはやっていました。

【運営団体 NPO法人アスデッサンについて】
一人ひとりが自分らしい未来を描ける社会を目指し、2011年より活動する教育系NPO法人です。
多様な大人との関わりを通じて、全ての中高生の可能性を拓くことをミッションに掲げ、中学校・高校への社会人講師派遣による出張授業や、多様な大人の生き方に出会えるWebサービスの運営など、キャリア教育支援活動に取り組んでいます。

公式HP: https://www.asdessin.org
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日本中の大人と話そう!中高生向けオンライン授業「ミライドアプロジェクト」 https://www.asdessin.org/miraidoor