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音楽を捨てるのか。 埋まらない同級生との差に苦しんだ高校時代。

保井 隆之さん (49歳) 読売新聞東京本社 社長直属 教育ネットワーク事務局

國學院大学文学部卒業。読売新聞社(現・読売新聞東京本社)に入社し、社会部、文化部、教育部を経て、現在は教育ネットワーク事務局主任。読売新聞がNPO法人企業教育研究会と共同で取り組む出前授業「ことばの授業」のキャップを務めている。


音大を目指し、音楽コースのある高校に進みました。普通科でしたが、毎年音大に合格者を出している高校でした。学力的には他の高校も狙えたので、中学の先生からは「本当にそれでいいのか?」と驚かれました。

それでも、「大好きなフルートでどこまでいけるのか、チャレンジしたい」という気持ちは揺るぎませんでした。部活が終わった後も、何時間も練習に没頭する。そんな日々を過ごしました。

ところが、いざ高校に入ると、同級生とのレベルの違いに向き合わなければいけませんでした。上には上がいることを思い知ったのです。どんなに頑張っても埋まることのない実力の差。人生で初めて味わった、そして今振り返っても最大の挫折でした。

「このままフルートを続けるのか、それともあきらめるのか…」

悩みに悩んだ結果、選んだ結論は「音楽を捨てる」でした。今ならば、「音楽は趣味として楽しめばいいじゃないか」と思うでしょうが、当時はそんなことは考えられませんでした。「あんなに愛していた音楽の道をあきらめ、捨てた」自分が許せなくて、自暴自棄になりました。

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