医者の夢から、製薬の道へ。ボランティア活動で得た気付き。

医者の夢から、製薬の道へ。ボランティア活動で得た気付き。

岡村 峻さん (33歳) ヤンセンファーマ株式会社

ヤンセンファーマ株式会社に勤務し、主に製薬販売の仕事をしている。また、アジアパシフィック社会貢献親善大使を務め、社会貢献活動の促進に尽力している。


いじめにあった中学時代。失いかけた自分の夢。

中学生の頃は、大人の身長と変わらないくらいに大きく、身体能力も高い方だったので目立つ存在でした。小学校の頃から、地域の子どもたちや大人と野外活動をするボーイスカウトに参加していて、障がいを持つ子どもたちとの関わりが多かったこともあり、将来は人の助けになる医者になろうと思っていました。

中学にはいり、勉強・部活ともに頑張っていましたが、2年生のころ、災難が降りかかります。所属していたサッカー部で、たわいもない友人や先輩とのケンカがきっかけで、いじめられるようになってしまったのです。それからは勉強も手につかず、高校には推薦で進学することが出来ましたが、気付けば医者になる夢は叶いそうもない成績になっていました。しかし、「人の助けになる仕事がしたい」という気持ちは変わらずあり、医者になる夢は諦めましたが、医療ではなく、福祉の道に進もうと決心しました。

物足りなかった大学生活。進路を変えた少年との出会い。

こうして福祉関係の大学に入ったのですが、授業で学んでいることが現場でどう生かされるのかが分からず、物足りない日々を送っていました。もっと色々な人に出会って、多くの経験を積みたいと感じていたある日、新聞に掲載されていた「手足の不自由な子どもキャンプ」のボランティア募集の広告を目にしました。学生生活このままではいけない、座学だけではなく学んだことを実践してみようという思いから、応募を決めました。

そのボランティアは、私の進路は大きく変えることになります。きっかけは、ある少年との出会いでした。少年はこのキャンプでのカレー作りを楽しみにしていたのですが、医師から処方された薬の影響で眠気が起こり、ほとんど参加出来ずにいました。私は悔しさと腹立たしさから、その薬を処方した医師を責めました。医師は「用法用量は守っているし、問題はなかった」と説明しましたが、それでも私は納得がいかなかったのです。その時から、「薬って何だろう、子どもたちにもっと合う薬を提供出来ないのだろうか」というように、薬への興味が自分の中で湧き始めました。そうして、福祉の道から薬剤の道へと舵をきることになったのです。

信頼関係が大切な製薬販売の仕事。

現在はヤンセンファーマ株式会社で、特に中枢神経系の製薬を販売しています。中枢神経領域では主にADHDや認知症、統合失調症などの製剤を取り扱っていて、製薬販売の他に最新の学会情報の提供や薬の安全性についての説明も合わせて行っています。

私自身は、八王子市の病院を担当し、医師に薬を販売する仕事をしています。この辺りは精神科が多く、中枢神経領域の病気に関する情報が沢山集まるエリアなので、常に新しい情報を提供し、求められる薬を販売できるよう心掛けています。また、この仕事は、医者との信頼関係が大切です。患者さん症状によっては自社製品よりも他社製品の方がいい場合もあり、そのときは患者さんに合うや薬を薦めるようにしています。その時々に合った薬や情報を提供することで、医師との信頼関係が生まれ、患者さんにとっても一番いい薬を処方してもらえると思っています。

緊張感を持って経験を積み重ねる日々。

仕事の一番のやりがいは、病気で困っている患者さんが自社製品や自分が紹介した情報で「治った」「症状が軽減した」と医療従事者から聞いたときですね。良い報告を受けたときは、やはりこの仕事をしていてよかったと思いますし、自分が働く意味や価値を感じる瞬間でもあります。

逆に、患者さんの症状が「悪化した」「治療はしていたけれども亡くなってしまった」と聞いたときは、辛く悲しい気持ちとともに、他に何か出来ることはあったのではないかと申し訳ない気持ちになります。

ただ、だからこそ経験したことを風化させず、気持ちの中で受け止めながら、ベストな状態で情報提供が出来るように努めていますね。そういった意味では、いつも緊張感を持ちながら仕事をしています。

 

ボランティアの「見えない壁」を取っ払いたい。大使としての使命。

私は製薬販売の仕事の他に、アジアパシフィック社会貢献親善大使をしています。「アジアパシフィック社会貢献親善大使」とは、社会貢献活動に取り組む社員のうちから1名選ばれ、社員がボランティアなどの社会貢献活動により参加しやすくなるように努める役割を担っています。よく、「ボランティアをする=凄い人がすること」といったように、誰でも出来ないものだという「見えない壁」を感じている人が多くいるように思います。これからは、ボランティアの精神は「社会のため、人のためになること」だけでなく、本質は「自分の成長のため」だということを声を大にして言うことで、この「見えない壁」を取っ払っていきたいと考えています。