医学部に行きたいのに、浪人も私 立も下宿もダメ!?
江木 加奈子さん (29歳) ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社
私立帝塚山高校 卒業後、京都大学医学部人間健康科学科卒業。外資系ヘルスケア企業ジョンソン・エンド・ジョンソンに勤務。
私は小さいときから「いのち」に興味があり、病気の人を治療することのできる医者になることが夢でした。
それを親に相談したら、大学に行くことも医者になることも反対しないけれど、家にお金がないから、自宅から通える近くの国公立大学に現役で合格することが条件だと言われたんです。
私の学力ではどんなに勉強しても、親の出した条件をクリアすることはできない!!医者になる夢を一瞬で奪われたような気持ちになりました…。
さらに私を苦しめたのは、学校の友人たちは家庭の金銭的な事情によって進路の選択に悩むことなどないという事実。
どんな家庭に生まれるかは自分で決められないのに、家庭の事情で人生を自由に選択できないなんて、理不尽で不公平で、こんなに苦しいことはないと思い、かなり落ち込みました。
でも「大学生」にはどうしてもなりたかったので、医者になる夢を諦め、違う進路を見つけることに決めました。優先するべき条件は「現役で国公立大学に行く」こと。すごく辛い決断だったのですが、それが自分で決めた進路だと、自分を納得させました。
医者以外の選択肢を考えた時、会計士や税理士などの資格を取ることも候補にありました。でも、もともと医者になることを夢見ていた私は、医療分野への興味や憧れが強く、どんな形であっても医療に貢献したいと思ったんです。
そして、国公立大学の看護科に行くことを決めました。当時、看護師不足についてはよく聞いていたので、「将来お金に困らないぞ!」と思ったことも決めた理由の1つです(笑)
でも今振り返れば、親が出した条件におじけづいて早々に夢を諦め、友達に対して卑屈な気持ちになってしまったことを後悔しています。
高校時代の17、18歳の限られた小さな世界では、自分よりもちょっと恵まれた環境の子が周囲にいるだけで、「どうして?何で自分だけ我慢するの?」と感じてしまったのだと思います。うらやましかったんでしょうね。
今となっては、まずは努力しろよ!甘えすぎだろう!と思っています…(笑)